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ジェレミー・リン(Jeremy Lin:林書豪)- NYニックスに突如現れた「救世主」

*"chinese"の日本語訳or 国籍の件について厳密な方もいるようで、もしお気になるなら"An American of Chinese descent"なり"Asian-American"なりに読み替えていただければと思う。

シーズン・オフにチョーンシー・ビラップスを放出したのがたたったのか、せっかくタイソン・チャンドラーを獲得してフロントコートを強化したにもかかわらず、シーズン開幕から負けが先行してきたニューヨーク・ニックス。おまけに、最近では、カーメロ・アンソニーとアマレ・スタウダマイアー という大黒柱2人も怪我で試合に出られず、といったことで、ヘッド・コーチのマイク・ダントーニのクビがいつ飛ぶか、といった噂も飛び交っていた。

ところが、1月末か今月はじめにDリーグ(二軍)から引き上げたジェレミー・リン(Jeremy Lin:林書豪)という中国(台湾)Chinese系米国人の若手ポイントガードが、だれも予想しなかったような大活躍をして、目下「負け無しの五連勝」ということで、NBA界隈はここ数日この選手をめぐる話題でもちきり、のようである。

上記の動画は、リンがLAレイカーズ相手に自己最多となる38得点の大活躍で勝利、という一戦のダイジェスト。

リッキー・ルビオ(ミネソタ)のように華麗なパスを出すわけでもなく、デリック・ローズ(シカゴ)ら黒人ポイントガードのような誰にも止められない鋭さ(クィックネス)があるわけでもないのに、それでも勝ってしまう、というこの不思議。

このリンという選手、シリコンバレーにあるパロアルト高校(スタンフォード大学に隣接/Wikipediaによると、俳優のジェームズ・フランコや往年のフォークシンガー、ジョーン・バエズスティーブ・ジョブズの恋人、そして渋いところではNYTimesのテクノロジー系ライター、ジョン・マーコフらもこの学校の卒業生、とか)時代はかなり活躍したようだが、アイビー・リーグの各大学やらスタンフォードからはスポーツ奨学生としてのオファーがなく、しかたなしにハーバード大学に普通枠で進み、またプロ入りの際も新人選手のドラフトでは選ばれず、地元のウォーリアーズに入ったあともあまりチャンスに恵まれず、今シーズンオフに放出される・・・といった簡単にいえば「苦労人」。

そういう選手が突然出てきて活躍し、ダメダメだったチームが生き返る、というのは誰もが好みそうなストーリーであろう。その上、チームがあのニックス(日本のプロ野球でいえば阪神?)と来た日には...。

なお、このレイカーズ戦のあとは、ミネソタでリッキー・ルビオと対決し、結局100対98で勝ったという。

はやく(テレビで)実際の試合を観てみたいと思う今日この頃である。



[このおっかさんも、いわゆる”タイガーマム”(=躾に厳しい中国系の母親)なんだろうか...]